アーセナル2024-25シーズン振り返り|3年連続2位とCL4強、そして負傷禍
一言でいえば「勝ち点より先に選手が足りなくなった年」
2024-25シーズンのアーセナルを思い出すとき、多くのグーナーの頭に浮かぶのは順位表ではなく、負傷者リストのほうではないでしょうか。開幕前に積み上げたはずの選手層は12月から3月にかけてごっそり削られ、それでもチームはチャンピオンズリーグ(CL)で2009年以来の4強まで進みました。
リーグでは3年連続の2位。ただし前の2シーズンとは中身が違いました。負けない代わりに勝ち切れない。引き分けが14もあったこの年は、「あと1点」を出せる選手がピッチにいなかった時間が長すぎた、というのが率直な印象です。
最終成績と数字
| 項目 | 記録 |
|---|---|
| リーグ順位 | 2位(3年連続) |
| 勝ち点 | 74(20勝14分4敗) |
| 得失点 | 69得点34失点/+35 |
| 優勝チーム | リヴァプール(84pt、4月27日に決定) |
| 得点王(クラブ内) | ハフェルツ リーグ9・公式戦15 |
| ゴールデングローブ | ラヤ 13クリーンシート(セルスと同数) |
| チャンピオンズリーグ | ベスト4(2009年以来) |
敗戦4はリーグ最少でした。つまり「崩れなかったチーム」ではあるのです。にもかかわらず優勝争いから早めに脱落した理由が、引き分け14という数字にそのまま出ています。なお11月23日には、アルテタ監督が指揮通算250試合に到達しています。
移籍(金額はいずれも報道ベース)
| IN | 詳細 |
|---|---|
| ラヤ(GK #22) | ブレントフォードから完全移籍、約£27m |
| カラフィオーリ(#33) | ボローニャから、約£42m規模 |
| メリーノ(#23) | レアル・ソシエダから、約£32m規模 |
| スターリング(#30) | レンタル |
| ネト(#32) | レンタル |
1月の補強はありませんでした。ここは結果論ではなく、当時からサポーターの間で議論になっていた点です。
主な放出はラムズデール(サウサンプトン、£18m+£7m)、エンケティア(クリスタル・パレス、£25m+£5m)、スミス・ロウ(フラム、£27m+£7m)。ほかにネルソンとファビオ・ヴィエイラがレンタル、エルネニーとセドリックが契約満了で退団しています。層の厚みを支えていた顔ぶれが、まとめて入れ替わった夏でもありました。
シーズンを決めた9つの瞬間
9月15日 ノースロンドンダービー 1-0(アウェー)
NLD(=ノースロンドンダービー)はガブリエウの得点で先勝。敵地で1点を守り切る勝ち方は、シーズン序盤のチームにとって何より効く薬でした。このあと1月15日のホームでも2-1で勝ち、シーズンを通じてダービーは2戦2勝。ダービーだけは最後まで「強いアーセナル」のままだった、というのがこの年の妙な手触りです。
9月22日 マンチェスター・シティ 2-2(アウェー)
前半アディショナルタイムにトロサールが退場し、以降は完全な耐久戦。それでもリードを保ち続けましたが、90+8分にストーンズに決められて引き分けに終わりました。1人少ない状態で後半を通して耐え抜く体力があるなら、11人で戦える試合をもっと勝ち切ってほしかった、というのが筆者の正直な見立てです。
10月19日 ボーンマス 0-2(アウェー)
今度はサリバが退場。9月のトロサールに続いて、退場が試合の行方を決めてしまう展開が短期間に2度続きました。規律の問題として片づけられがちですが、個人的には交代カードで試合を締められない構造のほうが本質だったと思います。
12月21日 クリスタル・パレス 5-1(アウェー)
内容は文句なしの快勝。しかしこの試合でサカがハムストリングを痛め、手術で3カ月の離脱となりました。得点源であり、崩しの起点でもある選手をこのタイミングで失ったことが、シーズンの分岐点だったと考えています。
1月12日 FA杯3回戦 マンチェスター・ユナイテッド 1-1(PK3-5、ホーム)
FA杯はホームでPK戦の末に敗退。さらに同じ試合でジェズスが前十字靭帯を断裂しました。カップ戦の1敗とセンターフォワードの離脱を同じ90分で受け取るのは、さすがに重すぎました。このシーズンの負傷禍を象徴する1試合です。
2月2日 マンチェスター・シティ 5-1(ホーム)
エミレーツでシティを粉砕。順位を考えれば遅すぎた勝利でしたが、このチームの上限が低かったわけではないことを示す90分でもありました。2月にはハフェルツもハムストリング断裂で今季絶望となり、前線は文字どおり空になります。
3月4日 CL R16 PSV 7-1(アウェー)
CL決勝トーナメントでアウェー7得点は史上初。前線の主力を軒並み欠いた状態で叩き出した数字だからこそ、価値があります。第2戦はホームで2-2。負傷者が多い時ほど組織で殴れるという、このチームの別の顔が出た試合でした。 公式ハイライト PSV 1-7 アーセナル(arsenal.com)
4月8日・16日 レアル・マドリード撃破
ホーム第1戦は3-0。ライスが直接FKを2本決め、メリーノが加えるという、後から見ても現実味の薄いスコアでした。ベルナベウでの第2戦もサカとマルティネッリの得点で2-1、合計5-1で8強を突破します。ライスのFK2本は、この20年のエミレーツで最も大きな歓声だったと個人的には思っています。 公式ハイライト アーセナル 3-0 レアル・マドリード(arsenal.com)
4月29日・5月7日 準決勝 PSGに1-3
ホーム第1戦は4分のデンベレの一撃で0-1。パリでの第2戦はサカが決めたものの1-2で、合計1-3。2009年以来の4強はここで終わりました。あと一歩ではなく、あと1人フィニッシャーが足りなかった。その一言に尽きるシーズンの終わり方でした。
カップ戦
| 大会 | 結果 |
|---|---|
| チャンピオンズリーグ | リーグフェーズ3位 → ベスト4(PSGに1-3) |
| FA杯 | 3回戦敗退(マンU、PK3-5) |
| カラバオ杯 | 準決勝敗退(ニューカッスルに0-2、0-2) |
カラバオ杯の準決勝は2戦とも0-2。CLでレアル・マドリードに5-1で勝てるチームが、国内カップでは2試合で1点も取れませんでした。この落差こそが2024-25のアーセナルで、タイトルに最も近い場所にいながら最後は無冠で終わった理由だと思います。
日本関連:味スタのショップと、冨安健洋の1年
2024年7月24日、味の素スタジアムのユーロスポーツ店2階に、日本初となる「ARSENAL FC OFFICIAL ショップ イン ショップ」がオープンしました。日本ツアーがないままでも、クラブと日本の距離が物理的に縮まった出来事です。
一方で冨安健洋にとっては苦しい1年でした。公式戦の出場は10月5日のサウサンプトン戦(3-1)で終盤に6分間ピッチに立ったのみ。そして2025年2月19日、右膝の2度目の手術を受けます。2024年5月の最終節で同点弾を決めた姿を覚えているだけに、この1シーズンの空白はあまりに長く感じられました。
総括:翌シーズンに残したもの
3年連続2位、そして3年連続無冠。数字だけ見れば停滞ですが、CLでレアル・マドリードを2戦連続で下した経験と、主力不在でも壊れなかった守備は、確実に次の年の土台になりました。5月11日のアンフィールドではリヴァプールへのガード・オブ・オナーを務め、5月25日のサウサンプトン戦(2-1)で2位を確定。
足りないのは戦術ではなく人数だというこのシーズンの結論が、翌夏の大型補強につながっていきます。2025-26に何が起きたかは、もうご存じのとおりです。
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参考
- https://www.footballchannel.jp/2025/05/10/post715788/
- https://www.soccer-king.jp/news/world/cl/20250508/2016174.html
- https://www.soccer-king.jp/news/world/eng/20250219/1990217.html
- https://profitt-sporting.co.jp/information/arsenal_official_shop-in-shop/

