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アーセナル2022-23シーズン振り返り|首位248日と、こぼれ落ちた優勝

アーセナル2022-23シーズン振り返り|首位248日と、こぼれ落ちた優勝
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はじめに:強かったのに、優勝できなかった

2022-23シーズンのアーセナルを一言で表すなら、「9か月間ずっと優勝の夢を見ていたのに、最後のひと月で目が覚めてしまったシーズン」でしょうか。
日本にいるグーナーにとっても、深夜や早朝に順位表を開くのがただただ楽しかった数か月だったはずです。

2022-23シーズンの歩み2022/8/5 開幕戦、クリスタル・パレスに2-0で勝利。2022/10/1 ダービーで3-1の勝利。2022/10/9 リヴァプールに3-2。サカが76分にPKを決める。2023/3/4 ボーンマスに3-2。開始9秒の失点から逆転。2023/3/16 ヨーロッパリーグ敗退。冨安が負傷。2023/4/26 マンチェスター・Cに1-4で敗戦。2023/5/20 フォレストに0-1。同日マンCの優勝が決定2022-23シーズンの歩み2022/8/5開幕戦、クリスタル・パレスに2-0で勝利2022/10/1ダービーで3-1の勝利2022/10/9リヴァプールに3-2。サカが76分にPKを決める2023/3/4ボーンマスに3-2。開始9秒の失点から逆転2023/3/16ヨーロッパリーグ敗退。冨安が負傷2023/4/26マンチェスター・Cに1-4で敗戦2023/5/20フォレストに0-1。同日マンCの優勝が決定
首位在位248日は、優勝を逃したチームとしてイングランド1部史上最長です(Opta)。

最終順位は2位。
勝ち点84は、優勝したマンチェスター・シティの89に5届きませんでした。

ただ、このシーズンのアーセナルが首位に立っていた日数は248日。
Optaによれば、これは優勝を逃したチームとしてはイングランド1部の歴史上もっとも長い記録です。

「強かった」ことと「優勝できなかった」ことが同時に成立してしまった、少し特殊なシーズンでした。

最終成績と数字

項目記録
最終順位2位(優勝マンチェスター・シティ 勝ち点89)
勝ち点84
成績26勝6分6敗
得失点88得点43失点(得失点差+45)
首位在位248日(優勝を逃したチームとして1部史上最長/Opta)
チーム得点王マルティネッリ、ウーデゴール 各15(公式戦ではサカも15)

リーグ戦の得点ランキングではマルティネッリとウーデゴールが15得点で並び、公式戦ではサカも15得点に到達しました。
誰か一人のゴールに頼りきらない形で88得点を積み上げたことは、このシーズンの攻撃の質をよく表しています。

移籍:夏に骨格を、冬に厚みを

金額はいずれも英メディアの報道ベースです。

IN(夏)

選手背番号前所属報道された移籍金
ガブリエウ・ジェズス9マンチェスター・シティ約£45m
ジンチェンコ35–約£30m超
ファビオ・ヴィエイラ21ポルト–
マット・ターナー30––
マルキーニョス27––

IN(冬)

選手背番号前所属報道された移籍金
トロサール19ブライトン約£21m+£6m
キヴィオル15スペツィア–
ジョルジーニョ20チェルシー–

OUT:オーバメヤン(チェルシー)、レノ(フラム)、トレイラ(ガラタサライ)、ベジェリン(バルセロナ)、ペペ(ニース/ローン)、パブロ・マリ(モンツァ/ローン)、サンビ・ロコンガ(クリスタル・パレス/ローン)。

夏に前線と左サイドを入れ替え、冬にトロサール、ジョルジーニョ、キヴィオルとポジション違いの3人を足す。
補強の順番としてはきれいでしたが、結果的にこの冬の3人でも足りなかった、というのがシーズン全体の答えだったように思います。

シーズンを決めた瞬間

8月5日:開幕戦、アウェーでクリスタル・パレスに2-0

開幕はアウェーのセルハースト・パークで2-0の勝利。
ここから、首位争いの長い日々が始まります。

開幕戦の内容そのものより、「去年とは違う」と全員に思わせたことがこの勝利のいちばんの価値だった、というのが筆者の見立てです。

10月9日:ホームでリヴァプールに3-2

10月1日のノースロンドンダービー(NLD=トッテナムとの北ロンドン対決)を3-1で制した勢いのまま、10月9日にはエミレーツでリヴァプールに3-2。
76分にはサカがPKを沈めています。

簡単には勝たせてもらえない相手との打ち合いを制したという事実が、このチームの自己評価を一段引き上げた試合でした。
個人的には、この日のサカの落ち着きこそがシーズンを通してのアーセナルの象徴だったように思います。

12月3日:ワールドカップでジェズスが右膝を負傷

シーズン中断中の12月3日、ワールドカップでガブリエウ・ジェズスが右膝を負傷します。
9番として前線の基準点になっていた選手を、優勝争いのもっとも大事な後半戦の入り口で失うことになりました。

冬の市場でトロサールを獲得したことでゴールは分散しましたが、センターフォワードの枚数という一点だけは最後まで埋まらなかった、というのが筆者の見方です。

1月22日:ホームでマンチェスター・ユナイテッドに3-2

1月15日のアウェーNLDを2-0で制した直後、22日はエミレーツでマンチェスター・ユナイテッド戦。
90分のエンケティアのゴールで3-2としました。

年明けの連戦をこの内容で勝ち切ったことで、「今年は本当に行けるのでは」という空気が一気に強くなった時期です。
今振り返ると、このあたりがシーズンのボルテージの頂点でした。

2月15日:ホームでマンチェスター・シティに1-3

2月15日、エミレーツでの直接対決はマンチェスター・シティに1-3。
首位を走っていたチームが、追う側に本当の実力差を見せつけられた90分でした。

ここで勝ち点3を失ったこと以上に、「この相手に勝たないと優勝はない」という現実を突きつけられたことが重くのしかかりました。
筆者にとっては、この90分の受け止め方でその後の1か月の見え方まで変わってしまった一戦でした。

3月4日:ボーンマスに3-2、開始9秒の失点からの逆転

このシーズンを象徴する一戦です。
ホームのボーンマス戦は開始9秒で失点するという最悪の入り方でした。

それでも試合をひっくり返し、90+7分のネルソンのゴールで3-2。
エミレーツが本当の意味で揺れた日でした。

公式ハイライト(arsenal.com)でも、最後の瞬間のスタジアムの空気が伝わってきます。
この試合で勝ち点3を拾ったからこそ首位をさらに長く保てたわけで、優勝には届かなかったものの、このシーズンで一番思い出す90分になったように思います。

3月16日:ヨーロッパリーグ敗退と、冨安健洋の負傷

3月16日、ヨーロッパリーグ・ラウンド16の第2戦はホームでスポルティングと1-1(延長)。
PK戦を3-5で落として敗退しました。

さらにこの試合でサリバと冨安健洋が負傷。
冨安は3月21日に右膝の手術を受け、シーズン絶望となります。

結果としてこの一晩で、欧州の戦いと、守備の主力2人を同時に失いました。
日程が楽になるはずの敗退が、まったく楽にならなかったという意味で、このシーズンで最も損の大きい夜だったように思います。

4月2日〜21日:3連続ドローで足が止まる

4月に入るとアウェーのリヴァプール戦2-2、アウェーのウェストハム戦2-2、ホームのサウサンプトン戦3-3と、3試合続けて引き分けます。
いずれもリードを持っていた試合で、勝ち点を落とした形でした。

順位表の上では首位のままでも、追う側から見れば明確に扉が開いた3週間です。
個々のミスというより、3月に失ったものの影響がここでまとめて出たように思います。

4月26日・5月20日:優勝争いの終わり

4月26日、アウェーのマンチェスター・シティ戦は1-4。
優勝争いは事実上ここで決着しました。

そして5月20日、アウェーのノッティンガム・フォレスト戦を0-1で落とし、同じ日にマンチェスター・シティの3連覇が決まります。
248日の首位在位が、最後は他会場の結果を待つ立場で終わったことになります。

悔しさは残りましたが、「勝ち点84を取れるチームになった」という事実のほうが翌季以降には効いてきたように思います。

カップ戦

ヨーロッパリーグはグループAを首位で突破。
ラウンド16でスポルティングと2-2(3月9日・アウェー)、1-1(3月16日・ホーム、延長)と引き分け、PK戦3-5で敗退しました。

FAカップは4回戦でアウェーのマンチェスター・シティに0-1。
カラバオカップは3回戦でホームのブライトンに1-3と、カップ戦はいずれも早い段階で姿を消しています。

リーグに集中できる日程だったと言えなくもないのですが、実際には3月のヨーロッパリーグ敗退が負傷というおまけつきだったため、恩恵はほとんど感じられませんでした。

日本関連:冨安健洋のシーズン

日本のグーナーにとって、このシーズンの最大のトピックは冨安健洋です。
複数のポジションをこなせる守備者として、勝負どころで起用される存在感を示していました。

しかし3月16日のスポルティング戦で負傷し、3月21日に右膝の手術。
優勝争いの最終盤には間に合いませんでした。

チームが最後にもう一段の安定を必要としていた時期に、いちばん器用な守備者がいなかった。
順位だけを見ると見落とされがちですが、この不在はかなり大きかったように思います。

総括:このシーズンが翌季に残したもの

2022-23シーズンは、アーセナルが「上位に返り咲いたチーム」から「優勝を争えるチーム」に変わったシーズンでした。
同時に、優勝するには何が足りないのかを、勝ち点84という高い水準の上でくっきり見せられたシーズンでもあります。

センターフォワードの層、直接対決での強度、そして主力を欠いたときの余力。
この3つの宿題がそのまま翌2023-24シーズンの補強方針につながっていきます。

248日という数字は、誇りと悔しさの両方が入った、このクラブらしい記録だったと思います。

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