アーセナルとはどんなクラブ?歴史・スタジアム・愛称がわかる入門ガイド
「アーセナルって、結局どんなクラブなの?」——2025-26シーズンのプレミアリーグ優勝をきっかけに、そう思った方も多いはずです。この記事では、クラブの成り立ちからスタジアム、愛称、ライバル関係まで、予備知識ゼロでも読めるように一つずつ説明していきます。
3分でわかるアーセナルの基本
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 創設 | 1886年(ロンドン南東部ウーリッジ) |
| 本拠地 | エミレーツ・スタジアム(ロンドン北部)。収容60,704人 |
| 愛称 | ザ・ガナーズ(The Gunners=砲手たち) |
| ファンの呼び名 | グーナー(Gooner) |
| クラブカラー | 赤と白(赤いシャツに白い袖) |
| リーグ優勝 | 14回(うちプレミアリーグは4回) |
| FAカップ | 14回=大会史上最多 |
※収容人数は2026年9月時点でアーセナル公式サイトが公表している数字です。改修などで変わることがあるため、最新の値は公式サイトでご確認ください。
始まりは「大砲工場の職工チーム」
1886年の終わりごろ、ロンドン南東部ウーリッジにあった王立造兵廠(ロイヤル・アーセナル=大砲や弾薬をつくる国営の兵器工場)で働く人たちが、工場内の「ダイアル・スクエア」という作業場の名前をとってチームをつくりました。初戦は1886年12月11日、イースタン・ワンダラーズを相手に6-0で勝利しています。
チーム名はその後、1886年12月に「ロイヤル・アーセナル」、1893年に「ウーリッジ・アーセナル」へと変わりました。クラブがフットボールリーグの2部に参入したのも1893年で、1部への昇格は1904年のことです。
ユニフォームが赤いのも創設期の事情によるものです。ノッティンガム・フォレストから移ってきたフレッド・ビアズリー、ビル・パー、チャーリー・ベイツの3人が古い赤いキットを持ち込み、同じ色でチームを揃えるのがいちばん安上がりだった、というのが公式サイトの説明です。最初のシャツは襟付き・ボタン3つの濃い赤色でした。
1913年、クラブは北ロンドンへ引っ越した
アーセナルの歴史でいちばん大きな転機が、1913年のハイバリー移転です。ロンドンの南東から北部へ、街を横断する引っ越しでした。移転から2年のうちにクラブ名から「ウーリッジ」が外れ、今の「アーセナル」になります。
そしてこの引っ越しは、トッテナム・ホットスパーというご近所さんを生みました。ここから始まるのがノースロンドンダービー(NLD)——アーセナル対トッテナムの一戦です。
ハーバート・チャップマンが「アーセナルらしさ」をつくった
1925年の夏に監督に就任したハーバート・チャップマンは、クラブを一気に強豪へ押し上げた人物です。1930年4月26日にウェンブリーでハダーズフィールド・タウンを下してFAカップ初優勝を果たすと、1930/31、1932/33、1933/34とリーグ優勝を重ねました。
有名な「赤いシャツに白い袖」のデザインを初めて着用したのも1932/33シーズンです。背番号入りのシャツについても、記録に残るいちばん古い例は1928年8月25日のシェフィールド・ウェンズデイ戦です(この試合は2-3で敗れています)。チャップマンは1934年1月6日、肺炎のため55歳で亡くなっています。
ハイバリーとエミレーツ——2つのホーム
ハイバリー(正式名称アーセナル・スタジアム)は1913年から2006年までの本拠地でした。1936年10月に完成したアールデコ様式のイースト・スタンドは英国のグレードII指定建造物で、「マーブル・ホール」と呼ばれる大理石の玄関は今も語り草です。ゴール裏は北側がノースバンク、南側がクロックエンドと呼ばれ、1989年にクロックエンド、1993年に2層1万2,000席のノースバンクが改修されました。1935年のサンダーランド戦では7万3,000人という記録的な観衆が入っています。
最後の試合は2006年5月7日。ティエリ・アンリのハットトリックでウィガン・アスレティックに4-2で勝利し、1913年から続いたハイバリーの歴史に幕を下ろしました。
エミレーツ・スタジアムは2006年にオープン、収容は60,704人です。こけら落としは2006年7月22日のデニス・ベルカンプ引退試合で、公式戦の初戦は同年8月19日のアストン・ヴィラ戦(1-1の引き分け、ジウベルト・シウヴァがスタジアム第1号ゴール)でした。
ヴェンゲル時代と、無敗優勝の「インヴィンシブルズ」
1996年9月から2018年5月まで指揮を執ったアーセン・ヴェンゲルは、公式戦1,235試合でチームを率いたクラブ史上最多の監督です。プレミアリーグでの828試合は同リーグ史上最多。3度のリーグ優勝と7度のFAカップ制覇(FAカップは監督として史上最多)を果たし、1997/98には英国のリーグを制した初の外国人監督になりました。トップ4入りを20シーズン連続で続けたのもこの時代です。
その象徴が2003-04シーズンのインヴィンシブルズ(無敵艦隊)。リーグ38試合を一度も負けずに終え、勝ち点90、73得点26失点で、2位チェルシーを引き離して優勝しました。無敗記録は3シーズンにまたがる49試合に及び、2004年10月にマンチェスター・ユナイテッド戦で途切れるまで続きます。アンリ、ベルカンプ、主将パトリック・ヴィエラ、ソル・キャンベル、アシュリー・コール、GKイェンス・レーマンらがそのメンバーでした。
アルテタ時代——そして2025-26の優勝
ミケル・アルテタが監督(ヘッドコーチ)に就任したのは2019年12月21日です。マンチェスター・シティでペップ・グアルディオラの下、アシスタントコーチを務めていた人物で、契約は3年半でした。現役時代は2011年から2016年までアーセナルでプレーし、主将も務めています。
リーグ順位は2022-23が2位(勝ち点84)、2023-24が2位(勝ち点89)、2024-25が2位(勝ち点74)と、3年続けて優勝にあと一歩届きませんでした。そして2025-26、26勝7分5敗・勝ち点85でついに頂点へ。2003-04以来22年ぶり、通算14度目のリーグ優勝(プレミアリーグでは4度目)です。5月19日の第37節終了時点で優勝が決まり、5月24日にトロフィーを掲げ、5月31日にはイズリントンで優勝パレードが行われました。
同じシーズンのチャンピオンズリーグでは決勝に進出。5月30日のブダペストでの決勝はパリ・サンジェルマンと1-1のまま延長でも決着がつかず、PK戦3-4で敗れて準優勝でした。
「ガナーズ」と「グーナー」の違い
ガナーズ(The Gunners)はクラブ/チームの愛称です。アーセナル公式サイトによれば、1886年12月に「ロイヤル・アーセナル」となった際、創設者たちが働いていた兵器工場にちなんでこの愛称が付いたとされています。同サイトは、1905年のウーリッジ・アーセナル時代につくられた初代エンブレムに3門の大砲が描かれていたとも記しています。現在のエンブレムにも大砲が残っています。
グーナー(Gooner)はファンの呼び名。公式マッチデープログラムで初めて使われたのは1966年で、1987年からはファンジン(ファンがつくる非公式雑誌)『The Gooner』がハイバリー、そしてエミレーツの前で売られ続けています。日本のファンも自分たちを「グーナー」と呼びます。
ライバル関係
最大のライバルは同じ北ロンドンのトッテナム・ホットスパーで、この対戦がノースロンドンダービーです。加えてマンチェスター・ユナイテッド、チェルシー、リヴァプール、そして近年はマンチェスター・シティとの上位争いが毎シーズンの見どころになっています。
日本から見るアーセナル
日本との接点も増えています。2024年7月24日には味の素スタジアムのユーロスポーツ店2階に、日本初の「ARSENAL FC OFFICIAL ショップ イン ショップ」がオープンしました。日本人選手では冨安健洋が在籍4シーズンで公式戦65試合に出場し、2025年7月4日に契約を解除しています。なお、クラブの日本ツアーは2013年以降行われていません。
これから見る人へ
まずは1試合、エミレーツでのホームゲームを通しで観てみてください。キックオフ前のスタジアムの雰囲気、ゴール裏ノースバンクの歌声、そして赤と白のユニフォーム。「ガナーズ」という呼び名の由来まで知っていると、同じ90分がまったく違って見えるはずです。
関連記事
- アーセナルの試合をどこで観る?2026-27シーズンの視聴ガイド
- アーセナル2025-26シーズン振り返り
- 日本で買えるアーセナル公式グッズ(味の素スタジアム店)
- アーセナル新ユニフォームの買い方【2026-27】
参考
- https://www.arsenal.com/history/laying-the-foundations/laying-the-foundations-overview
- https://www.arsenal.com/news/when-did-arsenal-move-emirates-stadium
- https://www.arsenal.com/news/22-stats-for-22-years-of-arsene-wenger-at-arsenal-a331T8T30DPw
- https://www.arsenal.com/news/explainer-arsenals-200304-invincibles
- https://www.arsenal.com/news/why-are-arsenal-called-gunners

