アーセナル観戦が10倍楽しくなる用語・文化ガイド|グーナー入門【初心者向け】
アーセナルの試合を観はじめると、実況や海外のファンが使う言葉に戸惑う瞬間があります。「グーナー?」「クリーンシート?」「COYG?」——この記事では、クラブ独自の言葉とプレミアリーグの基礎用語を、初めての方向けにまとめました。
まずはファンを表す言葉から
ガナーズ(The Gunners)
クラブとチームの愛称です。アーセナル公式サイトによれば、1886年12月にクラブが「ロイヤル・アーセナル」となった際、創設者たちが働いていたウーリッジの兵器工場にちなんでこの愛称が付いたとされています。エンブレムの大砲も同じ由来です。
グーナー(Gooner)
ファン・サポーターの呼び名です。「ガナーズ」が変化したものとされていますが、由来には複数の説があります。クラブ公式サイトは、伝説的監督ハーバート・チャップマンが「グーナー」と呼ばれていた説と、ニューカッスルのファンが「Town」を「Toon(トゥーン)」と呼ぶように発音が変化しただけという説の2つを紹介しています。
公式マッチデープログラムで初めて使われたのは1966年。1987年からはファンジン(ファンが自主制作する雑誌)『The Gooner』がハイバリー、そしてエミレーツの前で売られ続けており、この言葉を定着させました。日本のファンも自分たちを「グーナー」と呼びます。
COYG
Come On You Gunners(カモン・ユー・ガナーズ=行け、ガナーズ)の頭文字です。SNSの投稿末尾によく付いています。短い応援の掛け声だと思ってください。
スタジアムにまつわる言葉
ノースバンク/クロックエンド
どちらもゴール裏スタンドの呼び名です。旧本拠地ハイバリー(1913〜2006年)で、北側が「ノースバンク」、南側が「クロックエンド(時計側)」と呼ばれていました。ノースバンクは1993年に2層1万2,000席として生まれ変わり、クロックエンドは1989年に改修されています。この呼び名はエミレーツ・スタジアムにも引き継がれ、ノースバンク側の下層は、試合中ずっと立って歌い続けるサポーターが集まるエリアとして知られています。
マーブル・ホール
ハイバリーのイースト・スタンドにあった大理石の玄関ホールのこと。このスタンドは1936年10月完成のアールデコ様式で、英国のグレードII指定建造物でした。
チャント(応援歌)の文化
イングランドのスタジアムでは、サポーターが試合中ずっと歌い続けます。これがチャントです。クラブ全体を讃えるもの、選手ひとりひとりに用意されたもの、相手をからかうものなど種類はさまざまで、有名なポップスのメロディを借りて歌詞を替えたものが多いのも特徴です。
アーセナルで特別な位置にあるのが、ルイス・ダンフォードの『The Angel(North London Forever)』です。ダンフォードは生涯のアーセナルファンで、地元イズリントンとそこに暮らす家族・友人への思いを歌ったこの曲を2022年に発表しました。ファンがSNSで広め、アルテタ監督が本人を練習場に招いたことで一気にクラブ公認の存在に。現在はエミレーツのホームゲームで、キックオフ直前にスタジアムへ流れます。筆者は、試合前にこの合唱を聴くだけでも中継を早めにつける価値があると思っています。
歌詞そのものはとても覚えやすいので、実際の音源を一度聴いてみるのがいちばんの近道です。
マッチデー(試合日)の基本語
- マッチデー:試合当日のこと。「マッチデープログラム」は当日販売される公式冊子。
- キックオフ:試合開始。
- ハーフタイム(HT)/フルタイム(FT):前後半の間の休憩/試合終了。
- アディショナルタイム(AT):前後半それぞれの終わりに加えられる追加時間。「90+3分」という表記はこの時間帯の得点を意味します。
- ホーム/アウェー:自分たちの本拠地での試合/相手の本拠地での試合。
プレミアリーグの仕組み(ここだけ押さえれば十分)
プレミアリーグは1992年に発足したイングランド1部のリーグで、最初のシーズンは1992/93です(当初22クラブ、1995/96から20クラブ)。
- 20クラブが、各チームとホームとアウェーで1回ずつ、1クラブあたり38試合を戦います(リーグ全体で380試合)。
- 勝ちで3ポイント、引き分けで1ポイント、負けは0。
- 勝ち点が並んだ場合は、得失点差 → 総得点 → 直接対決の成績、の順で順位を決めます。
降格(relegation)と昇格
最下位から3クラブ(18位・19位・20位)がチャンピオンシップ(2部リーグ)へ降格します。入れ替わりに、チャンピオンシップの上位2クラブとプレーオフ優勝クラブが昇格します。優勝争いと同じくらい、残留争いが熱いのはこのためです。
ヨーロッパの大会への出場権
上位クラブにはUEFAチャンピオンズリーグ(CL)、ヨーロッパリーグ、カンファレンスリーグの出場権が与えられます。CLは上位4クラブが基本で、2024/25からは条件により5枠目が与えられるようになりました。
カップ戦
- FAカップ:世界最古の全国大会。アーセナルは史上最多の14回優勝を誇ります。
- カラバオカップ:リーグカップの現在の大会名。
- コミュニティシールド:シーズン開幕前に行われる伝統の一戦で、前季のリーグ王者とFAカップ王者が対戦します。
試合中によく出てくる用語
VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)
映像で主審を補助する審判員のことで、プレミアリーグでは2019/20シーズンから導入されました。チェックの対象は得点/PKの判定/一発レッドに相当する事象/人違いの4つに限られます。
重要なのは、最終決定を下すのはあくまでピッチ上の主審だという点です。主審が耳を指せば確認中、四角い「テレビの形」を手で描けば確認終了の合図。プレミアリーグ公式サイトは、導入前の2018/19シーズンに82%だった重要判定の正答率が、VARが入った2019/20シーズンには94%まで上がったとしています。
クリーンシート(clean sheet)
無失点のこと。「クリーンシートを守った」=1点も取られなかった、という意味です。アーセナルのGKダビド・ラヤは2025-26シーズンに19クリーンシートを記録し、ゴールデングローブを受賞しました。
ブレース(brace)/ハットトリック
ブレース=1試合2得点、ハットトリック=1試合3得点。狩猟で「対になった獲物」を指す言葉が語源とされています。
ダービー(derby)
同じ街・近隣のクラブ同士の対戦。アーセナルにとってはトッテナムとのノースロンドンダービー(NLD)がそれにあたります。
アーセナルを語るときの固有名詞
- インヴィンシブルズ(The Invincibles):2003-04シーズンにリーグ38試合を無敗で優勝したチーム。
- ヴェンゲル時代:アーセン・ヴェンゲルが指揮した1996年9月から2018年5月まで。
- NLD:ノースロンドンダービーの略。英語圏のSNSではほぼこの3文字で通じます。
言葉がわかると、実況の一言やSNSの短い投稿から拾える情報量が一気に増えます。まずは「グーナー」「COYG」「クリーンシート」の3つだけでも覚えて、次の試合に臨んでみてください。
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参考
- https://www.arsenal.com/news/why-are-arsenal-fans-called-gooners
- https://www.premierleague.com/en/var/faqs
- https://www.premierleague.com/en/premier-league-explained
- https://www.arsenal.com/history/arsenal-stadium-highbury
- https://en.wiktionary.org/wiki/COYG

